2006-08-04

キャリア開発シート

自分の勤めている会社には「キャリア開発シート」というものがある。これに勤務地や職種の希望を書いて上司と面談し、人事に反映するものなのだが、毎年何を書くか迷う。

というのも、「5〜10年後のキャリア目標」「〜3年後のキャリア目標」をまず考え、それを実現するためどんな能力を開発するかを書く必要があるので、相当面倒くさい。5〜10年後なんて鬼が笑うどころの話ではなく、大した出世欲もない平凡な人間にとっては100年後の未来と大差ない遠い先の話だ。

で、「能力の開発」のほうもやっかいだ。「能力」というものはすべてコード化されており、例えば「営業力」とか「検査技術」みたいな感じで一覧表になっている。たぶん数百くらいのコードがあるはずだが、探すには多すぎ、自分の能力を表現するには粗すぎ、なんとも中途半端である。
おまけに記述が異常に不足しており、例えば「OS技術」「デバイスドライバ」とだけ書いてあるような始末だ。PC用のOS(Windows)なのか、ワークステーション用のOS(UNIX)なのか、組み込み機器用のOS(ITRONとか)さえ記載されていない。専門能力を評価できない人事部担当者が、各々の職種の人事委員会に丸投げしているのが目に浮かぶようだ。

で、この能力コードに対し、自分がどれくらいのレベルにあるかを自己申告する。基本的には申告したレベルが人事に登録される。まあ、「おれはこれこれの能力がある」と自己主張する人に対して平等な機会を与えるシステムではあるけど、昇進は基本的に部門長推薦が必要なので何の意味もない。それにいつも思うのだが、部下に業務を与え、それを正当に評価できるから上司たりうるわけであって、こんな自己申告システムに頼るのはいかがなものかと。

そのレベル付けも昇進が近づいて来ると「上げておけ」という非公式な指示があったりして、まことに信頼性に欠ける(上げすぎてしまうとその次の年は何を上げようかで悩むことになる)。また、そもそもレベル付け自体が曖昧で、例えて言うとリニアスケールなのか対数スケールかはいかようにでも解釈できる。いや、もともと能力レベルをスカラ値で表そうというのが無理な話なのであって、揺れを許容できるのは悪くないことなのかもしれないけど。

で、なんでこんな文句をつらつら書いているかというと、夏休みが始まる前の日にこれを書こうと思ってたのだけど、難しすぎて家に持って帰って書かないといけないから。

…半分は自分のせいかな。あっはっは。

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